『砂漠の薔薇』 新堂冬樹 親と子供
昨日アップしたはずのブログが一昨日アップされてるみたいになってるんですが笑
ボケてるんですかね…笑
一応ブログ更新毎日するって言ってるので、コールド・ゲームの感想は昨日書いたことにして下さい、すみませんでした。
今回読んだのは新堂冬樹さんの『砂漠の薔薇』でした!
https://www.gentosha.co.jp/book/b1094.html
〈あらすじ〉
愛娘を名門幼稚園に入学させるため、英才教育をするのぶ子。しかし、どこかのぶ子はお受験をさせようとする母親の中では浮いていた。
そんな中、お受験組の1人がスーパーで万引きをしているところを目撃してしまう。
のぶ子はそれを写真に撮り、お受験組のママたちに送り付ける。ライバルを1人無くすためだった。
のぶ子はお受験にのめり込むあまり、だんだん狂っていく…
〈感想〉(※ネタバレ含む)
全体的にあまり読んでいて気持ちの良い作品ではなかったです。
主人公目線で描かれている作品で、しかもその主人公が人を殺してしまうので、のぶ子の心の闇や殺意をかなり感じました。
そこは作者の秀逸なテクニックなのかもしれませんが。
サスペンスドラマの様に、始めのシーンで人を殺して埋めていると思わされる描写があるというのは私が推理小説では初めて見るものだったかもしれません。
しかし、のぶ子は結局自分の親友で心の底では恨んで嫉妬していた十和子とこずえを重ね合わせていた、という解釈で良いのか少し不安です。
また、のぶ子の母がのぶ子に対してきついことを言っていたりのぶ子自身子供の頃できが悪かったことを自分の娘に重ね合わせていたのもはっきりとは描写していなかったのでモヤモヤするところでした。
また、聖星に自分の娘を入れたかったのに罪を犯してそれを台無しにしてしまったことはあまり意味が無いと思ったのですが、結局は受験のことを考えるあまり頭が狂ってこずえを殺してしまったのはこずえ=十和子を聖星にどうしても入れたくなかったのだと思います。
狂っているシーンで観賞用の魚は食べないのに食用の魚を何で食べるのか(?)みたいなことを夫に問い詰めるところはちょっとシュールというか面白かったです。
あと、妄想癖すごいなって思いました笑
私も実は子供にはお受験をさせたいと考えたことがあります。しかし、やっぱり親のエゴなどと言われるように子供の頃は遊ばせてあげて中学や高校受験をさせてあげるのが1番良いのかなと思いました。
このようなことを言ってくる良子という登場人物は正直必要だったのかな…
のぶ子に言葉は刺さっていたと思いますが。
あとこんな露骨にママ友間でいじめするか?って思いました。絶対ないと思います。やるとしてももっと陰湿にやると思います。そういうドラマありましたが…笑
あと、単純に男性が書いていらっしゃるのにすごく女性の描き方がリアルだと思いました。男性が書いているからこそ、ドロドロし過ぎていてママ友いじめも執拗かなと思いました笑
ドラマ化とかしたら面白そうな作品でした。でも何か誰にも救いがない感じで、ドロドロしてるし読んでいて本当にちょっと気持ち悪くなる作品でした。
作品としての面白さはあると思うので是非読んでみて下さい。