つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『グ、ア、ム』 本谷有希子 姉妹への憧れ

 今日は午後からは暖かったですが、風が冷たいと思いました。最近は本当に特に夜は寒くて困ります笑

 

 今回読んだのは本谷有希子の『グ、ア、ム』です。

f:id:mtsunatyanjp:20181115141413j:image

https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/137172/

 

〈あらすじ〉

 就職活動に失敗していわゆる「ワーキングプア」になってしまった長女。姉を反面教師にし、高卒で信用金庫に就職した次女。

母を交え、姉妹はグアム旅行に行くことになる。しかし、長女が身勝手な行動ばかりするので旅は不穏な空気を漂わせる…

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

 私は兄弟がいますが、一つ違いの兄なので姉妹が羨ましいと思うことがあります。姉妹だと色々楽しそうと思うのですが、容姿などを比べられそうだなと少し思ったのでそれが大変そうです。でも、姉か妹がいたら服などを共同で使えそうでそれはいいなぁと思います。

 

 まるで正反対の長女と次女でしたが、なんだかんだ仲は良くてやっぱり血かな、と思いました。また、物語中で名前が語られず、「長女」、「次女」という風に呼ばれていて、名前が気になりました。

 

 この作品の母は、少し抜けているところがあるようでそこが魅力だと思いました。長女にお金を貸してしまうのも母の優しさなのかと思います。

 

 長女は世間的に見ると、「クズ」と言われてしまうような人物ではありました。就職活動に失敗して、フリーターをしているわけですが切り詰めて生活しているようでどこかそこが健気に思えました。グアムへの旅行のお金は払えないというのに現地では自分のお金でサンダルを買っていたりして少し何なんだと思いましたが、憎めないキャラクターでした。

 

 この家族の父ものんびりとしていてそこがこの家族の安定を保っているのかと思います。うさぎをずっと飼い続けているのも可愛らしかったです。どこか空気が読めていないのも面白いところでした。

 

 

 そんなに長編の小説ではなく、誰にでも楽しめる内容となっていると思います。

是非読んでみて下さい。