つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『むかし女がいた』 大庭みな子

 今日は本当に寒かったですね!朝は本当に寒くてびっくりしました。手がかじかんだので手袋を買うかすごく迷って結局買いませんでした笑

 

 今回読んだのは大庭みな子の『むかし女がいた』です。


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https://honto.jp/netstore/pd-book_01554373.html

 

〈内容〉

 『伊勢物語』をオマージュした、全てが「むかし、女がいた。」から始まる大庭みな子独自の視点から男と女について切り込んだ、26篇の短編集。

 

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

 『伊勢物語』をオマージュして作られた、作品でした。『伊勢物語』の冒頭部分は「むかし、男ありけり」ですが、この作品はどのお話も「むかし、女がいた。」で始まっていました。

 

 読んで思ったことは、男と女というものはどの時代もずっと変わらないということでしょうか。最後(26番目)の部分の詩に書いてあることは本当にその通りだと思いました。

 

 『伊勢物語』は全部読めていないのでこの作品がどこまでオマージュしているか分かりませんが、主人公の男(在原業平がモデルとされる)の恋愛模様を描いたのが『伊勢物語』なので少し違うのではないかと思いました。

 

 印象に残ったのは、長い髪の毛の話と、鈴虫の話です。長い髪の毛の話は、女の陰湿さと『更級日記』を思い出しました。浮気をしているであろう夫のその浮気相手の髪の毛を箱に納めていたりと、髪の毛や、その髪の毛を蛇に見立てているのも女の嫉妬などを強く連想させました。

 

 鈴虫の話は、女の家の前を行き来する男と、女の飼っている鈴虫を重ね合わせているのではないかと思いました。また、結局欲しがらない男性の方がモテるということを意味しているように思いました。最後マメ男と呼んでいた鈴虫が死んでしまいますが(殺された?)その犯人(虫)が分からないのもまるで推理小説のようでした笑

 

 

 大庭みな子さんの作品は初めて読みましたが、瀬戸内寂聴さんの様な雰囲気で他の作品も読んでみたいと思いました。

是非読んでみて下さい。