つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『家族ゲーム』 本間洋平 変わらない

 今日から大学が始まりました。社会人の方はもう4日くらいから働いている方もいらっしゃると思います。新しい年になった訳ですから、心機一転、頑張りたいと思います。

 

今回読んだのは本間洋平の『家族ゲーム』でした。

f:id:mtsunatyanjp:20190107160957j:image

https://www.amazon.co.jp/家族ゲーム-集英社文庫-本間-洋平/dp/4087507289

 

 

〈あらすじ〉

 落ちこぼれの弟、茂之を持つ、対照的に優秀な慎一。弟は今まで5人もの家庭教師がついたが、鳴かず飛ばずだった。

しかし6人目の家庭教師、吉本により茂之は成績を上げていき、同時に慎一も変わっていく。

 

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

 何だかよく分からなかったです。解釈が合っていれば、人は簡単に変われないのだということでしょうか。茂之は成績が上がり、高校に進学することができましたが、その逆に慎一は変わってしまいました。これは、対照的であるなと思います。

 

 「家族ゲーム」は数年前に櫻井翔さん主演でドラマ化していましたが、それとは全く違う内容でした。それはとても面白かったです。長渕剛さん主演のドラマ、また映画もあるそうですね。櫻井翔さん主演のドラマは吉本(櫻井翔)が家族をわざと崩壊させ、その再生により家族がまた団結するというような話でした。

 

 とりあえず、「家族ゲーム」というタイトルは傍から見た沼田家はゲームのように家族を演じているという意味なのかと思います。

息子たちのことを誰よりも理解していると過信している母、息子のことを心配するようで、ただ怒鳴りつけることしか出来ない父、優等生を装った慎一、どうしても人に甘えて自立できない茂之。

吉本はそんな彼ら(特に茂之)を変えようともしていましたが、やはり簡単ではなかったのだと思います。しかも茂之の成績が上がったことで慎一はプレッシャーに押しつぶされ家庭に居づらくなっていました。

 

 結局受験や勉強が大事であるのか、何が人生において重要であるのか考えさせられる小説でもありました。とにかく、慎一や茂之の年ではそれはわからないと思いますし、沼田夫妻も勉強をきちんとするように2人に言っていましたが受験に振り回されすぎではないかと思いました。

 

 

 過去のブログで、幼稚園受験で追い詰められついに犯罪に手を染める母の話(『砂漠の薔薇』)という話がありましたがそれを思い出しました。

是非読んでみて下さい。