つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『魔性の子』 小野不由美 偶然と思わないかどうか

 今日は朝からある企業の説明会に行ってきました。朝はすごく寒くてスーツを着ていきましたが、トレンチコートは寒いですね。午後になってもあまり日が照っていない感じでした。

 

今回読んだのは小野不由美の『魔性の子』でした。シリーズ物だそうです。


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https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/124051/

 

〈あらすじ〉

 教育実習生としてとある私立高校に来た広瀬は担当するクラスの高里という生徒が気になる。それは自分が高校生の時と似た雰囲気があったからである。高里にはおかしな噂があり、彼には祟りがあり、彼をいじめたりしたものは次々と怪我をしたりするという噂だった。高里と関わっていくうちに広瀬は彼の驚くべき事実を知ってしまうことに…

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

 はじめ、読んでいる時はこんな展開になると思いませんでした。母が買った小説が何か怖かったからと言われて貰った本なのですが、得体の知れない何かが近づいてくる怖さのようなものがあったようです。あんまりホラーっぽくないと思っていたら少し毛色の違うホラーでした。

 

 高里の周りで人が死ぬのは偶然だと思っていました。徐々に物語が展開していくうちに、それが高里の直接的な力から起こることではないということがわかりました。ホラーというよりはメルヘンホラーというか、ファンタジーに近い要素もあったと思いました。

 

 途中で妖精の取り替え子の話が出てきたり、結構非現実的な話が多くてちょっとついていけない部分もありました。麒麟が出てきたり女の名前など、日本というよりは中国の怪異の要素が多かったと思います。日本と中国は近いので中国の怪異が日本に来るということはありえるかもしれません。(私はそもそもあまりそういったものを信じていないのですが)

 

 あと、人が死にすぎているのが衝撃的でした。しかも自分の両親までもが死んでしまうというのは、怪異の大きな力を感じます。潮の香りがしたり、海と怪異が関係しているのは海からそういった怪異がやってくるということなのかもしれません。中国の伝説の怪異であることは確実ですが、そもそも中国にいるのかはよく分かりませんでした。パラレルワールドのような所にいるのかもしれません。

 

 広瀬は結局助かったのでしょうか。さすがに水害となると、怪異よりは大きい被害になると思うので逃げ遅れたらアウトだと思います。

 

 あと、結局この作品は何が伝えたかったのかということがいまいちピンときませんでした。

 

 

 小野不由美さんはこういったホラー系の作品を多く書かれているのかはよく分かりませんが、ホラーは結構好きなので他にもあったら読んでみようと思います。