つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

光源氏の兄弟 〈コラム?〉

 私は大学で主に古典文学を学んでいます。今、その授業の発表の準備をしています。今日もその準備をしていましたが、終わりそうになく、不安です。内容は『源氏物語』の「若紫」の巻のとある場面の語釈や校異などです。「若紫」のエピソードにより光源氏ロリコンだと思っている人は多いように感じます。しかし、私は発表の準備をしている中でそれは違うと思いました。

 

朱雀院の存在

 光源氏には兄弟がいます。それは朱雀院という人です。朱雀院は光源氏より彼らの父(桐壺帝)に愛されてなかったような描写がされています。例えば、光源氏元服の儀を東宮の朱雀の時より盛大に催したり、そもそも光源氏東宮にしたかったのに世間体や大人の事情でやむを得ず朱雀院を東宮にしたのでした。

 物語内でも二人の仲が良かったみたいな描写はない様に感じます。後に、朱雀は娘の女三の宮を光源氏と結婚させるのですが。また、光源氏は朱雀の妃になる予定だった朧月夜と恋仲になったりしてしまいます。これはわざとではないのですが兄弟の関係はちょっと気まずくなりそうです…

 そんなわけで光源氏は兄弟が欲しかったのかもしれません。もっと近い距離で仲睦まじくいられる兄弟が。だから紫の上を自分の元に引き寄せたのではないかと思います。

 

 藤壺への思い

 光源氏の永遠の憧れの女性、桐壺にそっくりな藤壺。しかし藤壺は実の父の妻であり、許されない恋でした。そんな藤壺の姪にあたる紫の上と出会ったのは彼が病気の療養中に訪れた北山でした。藤壺に似ている紫の上。

源氏「なんとかして結婚したいなぁ」

許されぬ恋をしてしまった光源氏でしたがその恋の相手に似ている女の子がいたら、それは引き取りたくなってしまうのかもしれません。しかも、丁度紫の上は肉親を失っていて、引き取られても引き取られた家でシンデレラのようにいじめられてしまう可能性がありました。これはチャンスしかない…!笑

半ば強引に紫の上を引き取ってしまう光源氏でした。

 

 

 光源氏ロリコンではなく、妹のような存在が欲しく、また紫の上が藤壺に似ている彼女を引き取りたかったのだと思います。

まぁそれにしても強引に引き取るのは良くないですよね〜…