つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『惑いの森』 中村文則 闇深め?

 今回読んだのは中村文則の『惑いの森』です。

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https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167909987

 

〈内容〉

中村文則の50篇の短編集。

 

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

 全体的に暗い話が多かったです。中村氏自身も自虐で暗い話ばかり書くと言っていましたが。暗いというか、闇が深い感じだなと思います。一つ一つの短編のどれもがだいたい救いのない話でした。「Nの〜」から始まるものは結構ブラック・ユーモア的な内容なのかなと思いました。

 

 短編自体は次の短編の内容につながっている構成になっているものが多かったと思います。また、短編の内容の中に前の短編の内容や単語が含まれているものも多かったです。というか私が気づかないだけで、話は全部繋がっているのかなと思います。

 

 「供述」という短編は太宰の『駆込み訴え』を意識しているのかなと思いました。私はあの作品がとても好きなので、語り口調の文章など何となく全体的にオマージュしているのかな、と思いました。

 

 「Nの〜」というタイトルの作品は面白かったのですが、すごく作者の自虐ネタなのと、若干下ネタだったのでそこがちょっと嫌でした笑

 

 

 短編は50篇もあったので読むのが大変でしたが、読みやすかったです。

是非読んでみて下さい。