『プリズンの満月』吉村昭 理不尽
今日も寒かったですね〜もうほんとに毎日寒くて本を読もうとしても睡魔に襲われそうになります。ちゃんと本に集中したいです。
今回読んだのは吉村昭の『プリズンの満月』でした。
https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/111739/
〈あらすじ〉
刑務官として40年も働いた鶴岡が再就職したのは、巣鴨プリズンの跡地であるビルの警備だった。
働きながらも、かれは刑務官としての生活を思い出すのだった…
〈感想〉(※ネタバレ含む)
綿密な取材によって作られた大作だそうで、まるで歴史小説のようになっていました。
刑務官として働いた経験のある主人公の再就職先は元刑務所だった跡地のビルで警備をすることでした。
主人公が刑務官として働いていたのは、丁度戦後すぐでした。
刑務所には戦犯も受刑者としていました。同じ日本人の戦犯と、刑務官というのはとても微妙なものですね。
戦犯というのは本当に理不尽なものだと思います。戦争で人を直接的に殺したという訳では無いのに「戦犯」という名目でその人たちだけ罰せられるのはどうなのかと思ってしまいます。
刑務官というのは恐らく公務員ですが、刑務官も受刑者と同じくずっと刑務所にいなくてはいけないのか気になりました。でも、主人公は長い時間家族と会えていなかった気がするのでそういうお仕事なのかなと思いました。
歴史小説はあまり好きではないのですが、取材をきちんとしてあるだけあってリアリティのある作品でした。
ぜひ読んでみて下さい。