つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『胡桃の家』林真理子 家庭での女性の立場

 何だか、雨の日が多い気がします。天気や気温も変わりやすくて風邪を引きそうです。

 

今回読んだのは林真理子さんの『胡桃の家』でした。

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https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/119111/

 

〈あらすじ〉

 正月に帰省した槇子は生家が取り壊され、テナントビルにされることになったのを知る。

自分の一家の女達のことを思うと不意に自分の家を建てたくなる槇子であった。

他に、「女ともだち」、「シガレット・ライフ」など4編を収めた短編集。

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

「玉呑み人形」

 今は珍しい気がしますが、祖母のきぬと同居している家ということでなんか色々面倒そうだなとちょっと思ってしまいました。

実際とく子が源吉と結婚したことについて文句を言っていたり、源吉の行動に関して色々言ってきているので…笑

 

 源吉はすごく女の人にモテそうなタイプだなぁと思います。個人的に女性はちょっとクズっぽいというかクズの人の方が好きなイメージがあります笑

母性本能をくすぐられるのだと思います。しかも美男子と言われていたので、尚更でしょう。

源吉はざっくり言ってしまうと「クズ」ですが憎めないキャラだなと思いました。おもちゃを作っているのも可愛らしかったです。

最後の槇子が「バカ、バカ」と背中をポカポカするのも何だかほっこりしました。

 

「女ともだち」

 女性は友達に勝ってる、負けてるみたいな結構つまらないことでどきまぎしている気がします。

恥ずかしながら、友人に恋人が私より先にできた時など少し嫉妬のようなものはしたことがあります。

この作品の場合は大学時代の美人の友人、暁子よりどうしても優位に立ちたいと思っている淳子のお話でした。

私なら自分より美人だったら負けを認めてしまいそうです。

暁子は大学を卒業してそれから性格が変わったのかは分かりませんが、自分のことをちやほやしてくれる(好意や親切にしてくれる)人でないと受け入れることはできないというところもずっと淳子が暁子に思うところがあったのかなと思います。

 

「シガレット・ライフ」

 大人っぽい話でした。私は煙草を吸ったことはありませんし、吸おうともしていません。

 所謂「物書き」の人は煙草を吸う人が多いような気がします。

 煙草はまず、匂いが好きではないし健康にも悪いのですおうと思っていません。

少しかっこいいとかは思いますが吸うほどではないと思っています。

それにしても、厚子は吸いすぎなのではないかと思いました笑

 

「胡桃の家」

 あの憎めない源吉もきぬも亡くなってしまって、槇子が大人になってからのお話でした。

とく子は何だかきぬに似てきている気がしました。結構嫌な感じのおばあちゃんになっている気がしましたが笑

当時、というか今でも女性が家を建てることは珍しいことではないかと思います。

槇子も実際この後建てたか分かりませんが建てて、幸せに暮らして欲しいです。

1番初めの「玉呑み人形」の話もそうだと思ったのですが、この作品ではこの時代の女性が家庭でどんな立場でいたのかということが書かれていた気がしました。

 

 女性の方向けのような気がしましたが男性の方にもぜひ読んでいただきたいです。