つなの意見。

書評や映画やドラマの感想、乃木坂についてを綴ります

『コールド・ゲーム』荻原 浩 いじめ

 いきなり本題に入ります笑

 

 今回読んだのは荻原浩さんの『コールド・ゲーム』です。


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https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/123031/

 

〈あらすじ〉

 光也が高3の時の夏、復讐は突然始まった。謎の怪文書を送られた光也の同級生が次々と襲われた。怪文書から中学の時、いじめられっ子だったトロ吉こと廣吉剛史が浮かび上がる。

しかし、転校した廣吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は「北中防衛隊」をつくり廣吉を捜しはじめる。

 

〈感想〉(※ネタバレ含む)

 まず、登場人物たちが絶対廣吉が犯人だと思っていることを疑問に思いました。

中学時代の転校してしまった1人の同級生を探すことは難しいことだと思いますし、消息がわからなくなっている可能性もあります。また、今回見つかったのもラッキー(?)なことで現在はもしかしたらSNSなどで簡単に見つかることもありえるかもしれませんが。

 

 文章の表現の仕方が面白かったです。荻原浩さんの作品は他には読んだことはありませんが、「口の中でガムを転がすような声」など独特で秀逸な表現ができる作家さんだと印象に残りました。

 

 犯人は結構分かりやすかった気がしますが、犯人たちの体力などを考えるとかなり無理があるのではないかと思いました。

予想外だったのはトロ吉が死んでしまったことです。あと、「シャングリラ」のマスターにメールを打っていたことが面白かったです。

 

 いじめは当たり前にしてはいけないことだと思います。それもこの場合はかなり長い期間のいじめだったようで、廣吉はかなり苦しかったのだと思います。何かで、「いじめというのは何らかの能力の低い人間を自然に排除する本能的な行為」というものだと聞いて仕方の無いことなのかもしれないのかと少し思いました。

 

 いじめられたからと言って復讐をすることはもちろん間違っていると思いますし、2人も死に追いやっているのでどうなのかなと思いました。親が復讐していたのも二人ともかなり頭がおかしくなっていた気がしました。

 

 

 最近Instagramのストーリーにいじめの様子の投稿がされていたことがニュースになっていました。いじめというのは無くすことができないのでしょうか。

色々と考えさせられる作品です。読んでみて下さい。