『花腐し(はなくたし)』 松浦寿輝 鬱々
本当に最近は寒いですね、特に夕方が冷え込んでいてとっても寒いです。防寒をきちんとしたいと思います。
今回読んだのは松浦寿輝の『花腐し』でした。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203840
〈あらすじ〉
地上げ屋をやっているある中年男がある時撤去依頼のあるアパートに行くとそこにいた男となぜか酒を飲むことになる。酒を飲みながら同棲していて亡くなってしまった女、祥子のことを思い返す。
短編「ひたひたと」も収録。
〈感想〉(※ネタバレ含む)
「ひたひたと」
なんだか夢を見ているような、そんな作品でした。何だかよく分からない作品でもありました。主人公の年齢もよく分からず、主人公は多分男性(男の子?)なんだろうと思いました。主人公はその街の景色を見て、その街にかつていた人を想像してその人になっていたのでしょうか。
主人公自身も自分が何なのか分かっていなかったので本当に謎の多い作品でした。『ドグラ・マグラ』みたいだと思いました。
「花腐し」
こちらの話も何だか不思議な話でした。読んでいて気持ち悪くなるはずなのにあまりそうでもなく、何故だろうと思いました。
家を撤去してほしかったはずの伊関となぜかかれのアパートで酒を飲むという奇妙な話でした。伊関の部屋には何故かキャバ嬢の女がいたり、マジックマッシュルームを栽培していたりと暗い要素を一気に集めたお話でした。鬱々としていました。
何故井関と関わって翔子という同棲していた女を思い出したのかよく分かりませんでした。
また、最後何故か伊関の部屋に自分一人だけいたのは何故だろうと思いました。
全体的に暗くてちょっと闇の深い話だと思いました。松浦寿輝さんはそういった小説を書く傾向なのか気になりました。
是非読んでみて下さい。