『サヨナライツカ』辻仁成 相性の合う人
今日はとても寒い日でしたね。コートとニットを着ていました。太陽も全然出ていなくて曇っていました。肌がくすんで見えそうです笑
今回読んだのは辻仁成の『サヨナライツカ』でした。
〈あらすじ〉
「好青年」と呼ばれ、結婚を控えている豊。そんな中、彼は沓子という魅力的な女性と出会う。二人は惹かれ合うが別れを選択することにする。その二十五年後、再会する二人だった…
〈感想〉(※ネタバレ含む)
「好青年」と呼ばれている豊が沓子という女性に婚約者がありながら恋をしてしまったというのは皮肉なものでした。しかし、だんだんタイにいる日本人にバレていたので実は光子にもバレていたんじゃないかと思いました。2人がそこまでして愛し合っていた明確な理由は書いてありませんでしたが「ビビっと婚」という言葉があるように「ビビっ」ときたからかもしれません。そういう人に人生で1回は出会ってみたいです笑
サヨナライツカはタイトルにもなっていましたがそのタイトルの元になったと思われる詩は素晴らしいものだと思いました。今時の言葉で言うと「エモい」と思いました。同時に光子が才能に溢れている女性だということが伝わってきました。
「結婚したい女性」と「愛人にしたい女性」はやはり違うと思います。この場合、沓子は愛人というより恋人というレベルで愛し合っていたと思いますが。作中にも「恋人」と書いてありましたし。光子は器量も良く、完璧すぎることが欠点なくらいの女性で、性的な魅力もほとんど無いような描写でした。この作品で豊はどちらの女性にも恵まれていましたが、結婚するなら沓子の方が良かったのでしょうか。私には愛人止まりで良いというような関係とは思えませんでした。相性があるから結婚するのか、何を基準に結婚するかが気になります。
私が死ぬ時は愛したことを思い出すか、愛されたことを思い出すかまだ予想もつきませんが覚えてたら死ぬ時はどっちを思い出すのか意識したいです。
恋愛小説でしたがあまり官能的な描写も少なくすごく良い作品だったと思います。
是非読んでみて下さい。